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2012年1月20日 (金)

医療イノベーションも韓国にさらわれるのか?(幹細胞治療薬、世界1号に続き2号3号も韓国製)

2012年1月18日、医療イノベーション室長の辞任というニュースを知り、「日本の医療国家戦略はどうなっているのか」というブログを書いたばかりのところに、またショックを覚えるニュースが入ってきた。幹細胞治療薬で韓国が抜け出そうとしているらしいのである。造船、電機、自動車だけでなく、次の戦略産業-医療、医薬-においても、その果実を手に入れようと国をあげて取り組んでいるのがわかる。油断はできない。あっという間においしいところを持っていかれるのではないかと心配である。京都大学の山中教授のIPS細胞の発見と特許出願で世界の最先端を走っていると期待しているが、のほほんとしていれば、液晶の二の舞いになるかもしれない。先のブログで、日本の医療イノベーション戦略の情けない現状を垣間見ただけに、韓国との差をを感じてしまう。本当に危機意識を持って政策にあたってほしいものである。

韓国東亞日報の2012年1月20日の報道「幹細胞治療薬、1号に続き2号3号も韓国製」 ニュースの内容を転載する。

http://japanese.donga.com/srv/service.php3?biid=2012012004558

昨年6月、心筋梗塞治療剤の「ハーティセルグラムーAMI」が、幹細胞治療剤としては世界で初めて製造販売許可を受けたのに続き、19日、第2号と3号の幹細胞治療剤も製造販売の許可を受けた。

(韓国)食品医薬品安全庁は、メディポストの軟骨再生治療剤、「カティステム」やアントロゼンの痔ろう治療剤、「キューピーステム」の二つの幹細胞治療剤の製造販売を承認したと明らかにした。

カティステムは、退行性、または外傷の繰り返しにより膝の軟骨に激しい損傷ができた骨関節炎患者に使われる。特に、軟骨の損傷部位が2~9平方センチほどの患者に適している。手術後の痛みが減り、損傷部位の状態も25%ほどさらによくなることが、臨床試験の結果、明らかになった。同治療剤は、新生児のへその緒についている臍帯血から取出して作った肝細胞を利用して作った。自分の幹細胞ではなく、他人の幹細胞を活用した治療剤は初めてのこと。

メディポストの梁允瑄(ヤン・ユンソン)代表取締役は、「国内の関節炎患者500万人中10万人ほどが、これに当たる」とし、「手術をするためには、直接膝を開かなければならず、総費用は1000万ウォンほどかかるものと見られる」と話した。カティステムは、1ヵ月内に発売される。健康保険が適用されず、1アンプル(膝の片方を治療できる量)600万ウォンになる見通しだ。

キューピーステムは、大腸に炎症のできる稀少自己免疫疾患「クローン病」患者のうち、合併症により肛門の周辺に痔ろうができた時に使う。自分の脂肪から組織を取り出して作った肝細胞治療剤だ。

代替治療罪の無いクローン病患者への治療剤として使われる。1アンプル=300万~400万ウォン。国内のクローン病患者は3万人ほどと試算され、そのうち20%ほどが治療対象だと言う。

アントロゼンのイ・ソング代表取締役は、「日本やヨーロッパ、米国などと技術移転を巡理、協議をしており、中国には直接輸出する予定だ。国内だけでなく、世界の患者らを対象に、開発した」と主張した。キューピーステムは、健康保険審査評価院から、健康保険薬品として登録されれば、直ちに発売する予定だ。

なお、幹細胞治療については、読売新聞の医療サイトyomiDr.が、2012年1月19日、彷徨う再生医療『安易に幹細胞治療を受けないように』という特集記事を掲載して、注意を喚起していることを伝えておく。

http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=53164

「日本では(医師の裁量権を認める)医師法により、手続きなしでの幹細胞治療が認められているが、何をやってもいいというわけではない。医師には、患者の安全性の確保の観点からも、未承認の再生医療に関与しないことを求める。患者側も、安易に幹細胞治療を受けないようにしてほしい」

日本再生医療学会の岡野光夫(てるお)・理事長(東京女子医大教授)は2011年2月、東京都内で記者会見を開き、このように警鐘を鳴らした。京都ベテスダクリニックで幹細胞投与を受けた後に患者が死亡するなど、国内でひそかに「未承認の再生医療」が行われている実態に業を煮やし、声明文をまとめた。

声明では、国民に対して、いわゆる「未承認再生・細胞医療」をうたう診療行為を安易に受診せず、治療を行う医療機関が、この治療に関して公的機関から承認されているか、臨床研究や治験の承認などを受けていることを確認した上で判断することを勧めた。一方、医師に対しては、このような未承認再生医療に関与した場合、学会員としての資格停止を検討するとした。

声明文では、「世界には『Tax haven(タックス・ヘイブン)』と呼ばれる租税回避地として利用される国がありますが、日本が他国から幹細胞治療分野において『therapeutic haven(セラピューティック・ヘイブン=治療回避地)』として利用される(既に利用されつつある)ことが非常に危惧されます」と憂慮を表明している。この一文は、韓国のバイオベンチャー・RNLバイオが、幹細胞投与の規制が緩い日本に、韓国人患者らを送り込んでいたことを踏まえたものだ。

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