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2016年12月28日 (水)

2016年をふりかえって―まさかの連続が意味すること―第二次世界大戦の起点とされる1937年から80年目を迎えるに際して(40年周期説)

来たる2017年は、第二次世界大戦の起点とされる1937年から80年目にあたる。40年周期説から見ると、きわめて危険な年回りである。さてどんな展開になるであろうか。
 
 私は、1年前2015年の終わりに、「2015年を振り返って―世界混乱に収束の兆しが見えてきたか」(2015/12/29)というブログを書いた。そのブログでは、2015年末にかけて世界の多くの懸案事項に明日につながる有意義な合意がなされたことを取り上げた。まだひとつひとつはどのように進展するかわからない状態であるが、間違いなく希望への一歩である。今まで合意すらできないでいた対立問題に一時的であるとしても合意がなされたということは、歴史的に見て大きな前進であり、後戻りは限られるという意味で素晴らしいことだった。どうやら第三次世界大戦という最悪の事態は回避できたようだと記した。2016年には、新しい兆しが見えるようになるのではないかと希望的に展望した。
  1. TPP(環太平洋経済連携協定)の合意
  2. パリで開かれていた国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)で、先進国と新興国のすべてが参加する温室効果ガス排出量削減のための新たな枠組みである「パリ協定」が採択されたこと
  3. 米国とキューバの国交回復
  4. 日韓の歴史問題の核ともいえる慰安婦問題で合意
  5. オバマ大統領とロシアのプーチン大統領との会談で、シリア紛争には政治的解決が必要との認識で一致したこと。それを受けて国連の安全保障理事会で、12月18日、シリアの和平を目指す決議を全会一致で採択されたこと
 残された懸念事項は、中国の軍事的強硬策とイスラム国のテロ攻撃であった。 習近平政権は南シナ海の岩礁、暗礁での埋め立てを進め、そこに滑走路を建設、さらに軍事施設の建設などを進め、軍事要塞化を頑強に進めていた。また、11月13日夜パリで発生した130人が犠牲となった同時多発テロは、イスラム国のテロ攻撃が平和を守る上で疎かにできないことを知らしめていた。そして、2016年英国で実施されるEU離脱の国民投票がもうひとつ気にかかるイベントであると記した。
 
 しかし2016年を振り返って、この展望はことごとく裏切られることになった。懸念していた英国のEU離脱国民投票は、まさかの離脱派が勝利を収めることになった。シリア和平は不調に終わり、内戦は終わるどころかエスカレートした。お隣韓国では、朴大統領が友人の国政介入疑惑の責任を問われ弾劾訴追案が可決された。
 
 そして今年最大のまさかは、米国大統領選挙でのトランプ氏の勝利だった。大統領選挙中、暴言とも思える発言を繰り返していたトランプ氏がヒラリー・クリントン氏を破ることになった。世界は、保護主義の渦に巻き込まれてしまうのかという不安が一時支配した。トランプ氏が掲げている経済政策は、減税、インフラ投資という景気刺激策による米国経済の底上げと国民の所得向上である。しかし、失業率4%台とほぼ完全雇用状態にある米国経済で、景気刺激政策を行うことはインフレを招き短期的に終わる可能性が高い。キューバと米国の国交回復も、決着がついたかに見えたが、カストロ元首相の死去、トランプ次期米国大統領の合意見直し発言で先行きに不透明感が漂い出した。
 
 2016年は、希望が見られる年になるどころか混迷が深まるだけになってしまった。まさかという事態が続く異例の展開になってしまった。歴史は暗転したといってもいいだろう来る2017年は、第二次世界大戦の始まりの年といわれている1937年から80年目にあたる。80年前の1937年は、米国のFRBが金融引き締めに転じて「ルーズベルト不況」と称された大不況に陥り株価が暴落し、軍事支出に頼る戦時経済に打開策を見出すという最悪の展開になった年である。折しも来年は、欧州ではフランスの大統領選挙、ドイツの議会選挙がある。どんなリーダーが表舞台に出てくるか、予断を許さない。
 
 2016年のまさかの展開を振り返って冷静に総括すると、その根本的な原因は現代世界の矛盾に支配的地位、主導的地位にある人々が解決策を示すことができなかった結果だということを指摘しないといけない。大多数の世界の大衆は、それぞれの意思表示の機会を通じて不満を表明しただけのことである。国民は、既存のリーダーにノーを突きつけたのである。格差問題、貧困問題、難民問題、テロ問題、環境問題に解決策を示すことができなかったため、大衆に叛逆されたのである。
 
 こうした2016年の一つ一つの『まさか』が示唆していることは、世界は今のままでは次の時代を迎えることができないということを暗示している。次の時代に人類が進むにあたって、混乱期は避けられないこととなったのである。歴史の暗転のはざまの中で、人類は現代世界の有する課題を真剣に考え直す必要がある。一人一人も、試練の時期を通過すること無くしては新時代を迎えることができない。
 
 今年7月、ポーランドを訪問したローマ教皇フランシスコは、3つ目の世界大戦が起こっていると語った。「はっきり申し上げましょう。私が言っている戦争は宗教戦争ではありません。利害・富・天然資源・人々の支配を巡る“本物の戦争”のことです」。軍事テロが、世界各地で頻繁に起こり、悲惨な殺戮が日常茶飯事になっていることを直視しなければならないのである。
 
 2017年からの世界は混乱の時代を迎えざるを得ない。そして新しい時代を迎えるためには、混乱の時代の中で希望の光を見い出していかねばならないのである。新しい時代はどのような価値観が必要か、そのためには何をすべきか、このことに解答を見い出すことが不可欠である。

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