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2017年3月14日 (火)

「一億総活躍社会」のキャッチフレーズで進められている日本崩壊戦略

 平成28年6月2日に、「ニッポン一億総活躍プラン」が閣議決定された。少子高齢化に真正面から挑み、「希望を生み出す強い経済」、「夢をつむぐ子育て支援」、「安心につながる社会保障」の「新・三本の矢」の実現を目的とする戦略だった。立派な目標が立てられていた。

 どのような政策が行われるのか、期待半分不安半分で見守ってきた。今までのところ、国民に対する社会福祉という政府のばらまきにすぎないというのが私の感想である。国民が困っているのを見て、「楽になりますよ。楽にしますよ」と甘い言葉で囁き続けているだけのようである。困っていることがあったら、政府がお金を出して助けますよと言っているだけである。しかもそのお金は、政府のふところを考慮しない借金をあてにしたものである。ついに、その財源に多くの国債が検討されるに及んでいる。国債発行は、政府の歳入歳出の均衡財政の上で好ましくないとわかっているものだが、教育国債・科学技術国債などという今まで考えもしなかった国債が検討されている。正規の財源として確保できないものだから、国債を発行して財源を確保しようというのだ。教育国債の場合、教育無償化には5兆円近くかかるとの試算もある。

 国債発行は、次世代に借金のつけを回すことになるから慎重にならないといけないと口では言っているが、今までそういって積み重なってきた政府債務は1062兆5745億円、国民1人当たり約837万円、(2016年9月末現在)と過去最高を記録している。GDP比は250%を超えている。それでも次から次へと借金する提案が出されている。もう借金慣れして感覚がマヒしているとしかいえない。

 膨大な借金を抱えた事業家が、この際いくら借金しても大して変わらないと腹をくくったような行いである。100億も1000億も変わらない。破産してしまえばそれでチャラになる。ならば、どんどん借りてしまえと博打をしようと言っているようなものだ。

 政府は、もう政府債務の返済を諦めているのであろう。いつか超インフレ、ちょうど第二次世界大戦期後に起きた悪性インフレのように、貨幣価値が急落して借金が目減りしてチャラになることをもくろんでいるとしか考えられない。末期症状である。ハイパーインフレが起きることによって、政権は終わりを告げるのだ。

 拙ブログで、「一億総活躍社会」という政策が出された2015年、この政策は80年前を踏襲していると記した。民主党の蓮舫議員が、戦前を思い起こすと批判されていたが、「一億総活躍社会」も、1935年独のルーデンドルフが「国家総力戦論」を著わした年の80年後であった。80年前、総力をあげて国民を戦争に駆り立てた。そして80年後、国民を総力を挙げて無気力化しようとしている。
1935年、ルーデンドルフ自らが『国家総力戦論』を著したのを受けて、第二次世界大戦後に岡村寧次が永田や東條英機の言動から、この国家総動員体制に対して後知恵で「総力戦体制」と名付けた。
拙ブログ2015/12/20「黒田日銀の「補完策」決定ーアベノミクスは手詰まりになったか?そして今後は?」

 お金がバラマキなら、その国民精神の教育は、「楽をしろ楽をしろ」と叫んでいるようだ。

 「ニッポン一億総活躍プラン」の重要な柱である「働き方改革」の検討会で3月13日、重要な決定がされた。改革の柱である時間外労働(残業)規制について、首相官邸で経団連の榊原定征会長と連合の神津里季生会長と会談し、繁忙期の上限について、「月100時間未満」労使双方は受け入れる方向で、新たな残業規制案が事実上固まった。残業は原則「月45時間、年360時間」までとし、繁忙期のみの特例的な上限として、〈1〉月100時間を基準とする〈2〉2~6か月間の平均80時間以内〈3〉年720時間(月平均60時間)以内〈4〉月45時間超は年6か月まで――とする。

 非合理的な労働、押しつけられた労働が社会に広がるなか、労働のあり方に歯止めをかける必要はある。しかし、それは働くな、とか余暇を楽しめというメッセージであってはならない。

 額に汗して知恵をめぐらして働く労働は、人間に与えられた喜びであり、人生というものを豊かにするものである。大地を耕し、ものを発明し、この地上で生きる喜びを実現するものである。労働の産物が富であるとは、アダム・スミスが残した言葉である。人生を豊かにする労働を推奨しないと、「ただ楽をしろ楽をしろ」ということになりかねない。労働の根本を忘れていませんか。資源のない日本が先進国になれたのは、日本人が労働の価値をよく解っていたからである。その労働を忘れるとすると、日本の未来は真っ暗である。

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